「食べる量は変わらないのに、なぜか太りやすくなった」「昔より脂肪が落ちにくい」と感じていませんか。
この違いに関係しているのが、筋肉量と“インスリンの働き方”です。
今回は立川のパーソナルジムWAFFLE GYMのトレーナーとして、筋肉と太りやすさの関係を「インスリンヒエラルキー」という視点から解説します。
インスリンとは何か
インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。
糖質を含む食事を摂ると血糖値が上昇し、それに反応してインスリンが分泌されます。
インスリンは血液中のブドウ糖を、主に次の順番で体の各組織に取り込ませます。
- 筋肉
- 肝臓
- 脂肪細胞
この優先順位が「インスリンヒエラルキー」と呼ばれる概念で、筋肉量の多さによって血糖の処理効率が変わってきます。
インスリンヒエラルキーとは
インスリンがどこに働きかけるかは、身体の状態によって変化します。
インスリンヒエラルキーの基本的な順番は、筋肉→肝臓→脂肪細胞です。
筋肉がしっかりある人は、インスリンが主に筋肉に働きかけて血糖をエネルギーとして使うことができます。
その結果、脂肪細胞にまでエネルギーが回らず、太りにくい体質になります。
逆に筋肉が少ないと、筋肉ではあまり糖を使えず、余った糖が脂肪細胞に蓄えられてしまいます。
筋肉が少ないと起こること
私自身、運動指導に携わる前は細身で筋肉量も少なく、いわゆる「燃費の悪い体」でした。
ちょっと食べすぎただけで体脂肪が増え、夕食を抜いたりして帳尻を合わせる日々。
ところが筋トレを始めて筋肉量が増えた途端、少し食べ過ぎても翌日にはリセットできるようになった経験があります。
これは、筋肉が糖を貯蔵できる「貯金箱」としての役割を持つからです。
筋肉の量が多ければ多いほど、食事から得た糖を筋肉に吸収してくれるので脂肪にまわる量が減ります。
インスリン感受性とトレーニングの関係
筋肉量が多い人ほど、インスリンの感受性が高くなります。
これは「同じ量のインスリンでも効きが良くなる」状態のこと。
つまり、少ないインスリンで効率よく血糖を筋肉に取り込めるため、血糖値が安定し、脂肪も増えにくくなります。
食事制限よりもまず筋肉をつけるべき理由
食事制限だけで体重を落とすと、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまうことがあります。
これにより基礎代謝が下がり、結果的にリバウンドしやすくなります。
インスリンの働きも筋肉が少ないことでうまくいかなくなり、脂肪細胞にエネルギーが流れやすくなるという悪循環に陥ります。
それよりも、少しずつ筋肉を増やすことが長期的に見て最も効率的な「太らない体作り」です。
実際に多いご相談
WAFFLE GYMには「昔は痩せていたのに最近太りやすくなった」という方が多く通われています。
その多くが、仕事や育児などで運動習慣が減り、筋肉量が減っている状態です。
産後の女性からは「赤ちゃん連れでも通えるのが嬉しい」という声もいただきます。
実際に、赤ちゃんOKのジムとして、筋肉を増やしつつ体型を戻すサポートも行っています。
また、ご夫婦で一緒に通ってくださるケースも増えており、夫婦での継続がモチベーションにもつながっています。
筆者が感じた筋肉と日常の変化
個人的な話ですが、筋肉が増えてから「冷え性が改善された」「疲れにくくなった」「暴食しても翌日リカバリーできる」といった実感が多々あります。
筋トレを始める前は、「筋肉＝ムキムキになる」と思っていましたが、実際は日常生活のパフォーマンスを底上げしてくれる存在でした。
とくに糖の処理能力が上がると、甘いものへの罪悪感が減るというメンタル面の変化もあります。
まとめ：インスリンを味方につけるには筋肉を育てよう
筋肉が多い人が太りにくい理由は「インスリンヒエラルキー」によって、エネルギーが脂肪ではなく筋肉に優先して取り込まれるため。
そのため、無理な食事制限よりも、まずは筋肉を増やすことが大切。
インスリンを脂肪ではなく筋肉に効かせる体を目指すことで、太りにくい体質が手に入ります。
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